治療方法
施術は、HARGカクテルという薬剤を頭皮に注入します。HARGカクテルとは、毛髪の細胞を刺激し、細胞活性を促進する、ヒト由来の成分「グロスファクター(各種成長因子)」と、育毛メソセラピー等に使用される毛髪の成長に必要なビタミン等を多く含んだ「育毛メソヘアーカクテル」がブレンドされたものです。
治療の回数
3~4週間に1回の治療。6~12回の通院が目安
HARG療法は多くの場合、一定期間継続して受けていただくことにより効果が現れます。
実際、治療の回数は個人差がありますが、おおよそ4回の治療の後(5~6ヶ月経過後)に発毛効果が実感でき、6回の治療で終了、というケースが多く見受けられます。ただ、患者によって薄毛の状態は異なりますので、4回の治療で十分な方もいれば、8回あるいはまれに10回の治療が必要な方もいらっしゃいます。診察時に症状を確認させていただき、それに応じて治療計画を立て、適切な治療回数をご提案いたします。
はじめは3~4週間に1回、効果が現れてきてからは8週間に1回の治療頻度をご案内しております。毛髪のサイクル(毛周期)が正常化された段階で治療終了となり、2ヶ月後に経過を診させていただきます。その際の状態によっては、メンテナンスとしてフォローアップ治療やホームケアをお勧めする場合がございます。
当院の3つの術式
パピュール法

注射針で頭皮に薬剤を注入する、HARG療法では最もポピュラーな方法です。
表皮と真皮の間に治療薬を注入し有効成分を浸透させます。
治療効果に期待が持ちやすいというメリットがあります。
治療の際多少痛みを伴うため、抵抗のある方もいらっしゃいましたが、HARGカクテルの改良により、従来よりも痛みが低減しました。
- リスク・副作用に関して、個人差はありますが痛みを伴う場合があります。また、まれに毛膿炎が発生したり、滲む程度の出血が生じることがありますが、数時間から数日で改善します。
エレクトロポレーション
注射器を使わず、薬剤を注入する方法です。エレクトロポレーション(電気穿孔法)により表皮にある細胞に微小の穴をあけ、そこから必要成分を行き渡らせます。
痛みが少なく、ナパージュ法などの注射を使った治療に近い効果があります。
- リスク・副作用に関してですが、使用する薬剤で、希に肌にピリピリとした違和感が生じることがあります。個人差もありますが、数時間から数日で改善します。
フラクショナルレーザー法

お肌の若返りや美肌治療にも導入されているレーザーを使用します。
レーザーで、皮膚に目には見えない極小の穴をあけ、その部分から薬剤を浸透させ、有効成分を届ける方法です。
レーザーを照射することで熱エネルギーが送り込まれ、本来の自然治癒力を急速に促進します。
そのため、効率よく薬液を浸透させることができ、なおかつ痛みも少ないため患者様の身体的な負担にもなりにくく、比較的新しい治療法として注目されています。しかしながら、パピュール法に比べると、個人差により発毛効果が実感できるまで多少治療回数がかさんでしまうことがあります。
- リスク・副作用に関して、個人差はありますが痛みを伴う場合があります。また、色素沈着や赤みが出たり、腫れることがありますが、数時間から数日で改善します。
術式の詳細
パピュール法(注射治療)

改良されたAAPEを使い治療効果と痛みの軽減に期待
最も治療効果への期待がもちやすく、改良したAAPEを使用することにより痛みに配慮した、当院が推奨する施術方法です。注射針で頭皮に薬剤を注入しますので、治療効果に期待が出やすい方式です。また、熟練医師による注射は、患者様の頭皮状態に合わせ細かな調整が可能です。

AAPEとは?
AAPEとは健康な成人女性から採取した脂肪から、さらに幹細胞だけを取り出し、培養した細胞から分泌された、各種の成長因子を含んだタンパクを指します。
この成長因子が、成長が止まった髪の毛母細胞呼び起こし、さらに成長段階の育毛を活性化させる、HARG療法には不可欠な成分です。
HARG療法では数種類の栄養などの成分のほか、AAPEを調合してHARGカクテルをつくり、患部に注入しています。
改良されたポイント
- 注射でのHARGカクテル注入時の痛みが少なくなりました。
- 注射での注入後、数分から数時間持続する痛みが、残りにくくなりました。
- 治療前に施すブロック麻酔が必要なくなりました。
今回の開発では、HARGカクテルに使用される「AAPE」を、成分は変えずに、配合する割合と製造過程を見直すことでpH(*1)値の調整しました。
これにより、治療効果の期待を変えることなく、痛みを感じにくく改良することができました。
(*1)pH ・・・(水素イオン指数)
酸性とアルカリ性の度合いを示す数値。値が低いほど酸性が強く、高いほどアルカリ性が強い。
新しく導入した注射器で改善された点
HARG療法の治療効果の期待をより高めるために、注射針の届く範囲を調整することのできるタイプの注射器を新しく導入しました。日本ではまだ珍しいこの注射器は、次のような点で従来の注射器から改良が施されています。
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注射針のレンジを調整 → 正確な深さに注入
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31ゲージの細い針 → 痛みの軽減
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注射針のロック機能 → 固い頭皮も安全
痛みについて
頭皮に注射を行いますので、チクッとした痛みがございますが、患者様の痛みの感じ方によっては、麻酔による痛みの軽減も行っております(所要時間+20分程度)。
痛みに不安のある方は、医師にお申し出くださいませ。
エレクトロポレーション(痛みに不安を感じる方へ)
治療効果の期待はそのまま、より痛みの少ない治療へ
治療方法はいくつかあり、レーザーを使用した痛みの少ないものもあれば、注射を使い多少痛みがあっても効果の出やすいものもありましたが、痛みの感じ方には個人差があり、痛みが気になると言う方もいらっしゃいました。そこで当院では、痛みが少なく、さら効果的な「エレクトロポレーション」という治療法を採用しました。エレクトロポレーションは、細胞膜に電気で穴を開け、成分を直接導入する方法です。
皮膚の表層には角質層があり、脂肪酸やコレステロール、セラミドやケラチノサイトといったいくつかの細胞がレンガ構造に重なり合ってできています。
これが化学物質に対するバリア機能を果たしており、高い電気抵抗を持っています。HARG療法で注入するカクテル等の侵入も防いでいるため、これまでは注射などで角質層の奥にダイレクトに注入していましたが、頭は皮膚が硬く、注射の場合に痛みを感じることがありました。
エレクトロポレーションは、この角質層の細胞または細胞膜に特殊なパルス電流を通すことで、細胞膜に微小な穴を空けることができます。それにより角質層に隙間ができHARGカクテル等を通すルートがつくられます。こうすることで痛みが少なく有効成分を導入できます。
当院でのHARG療法以外の治療について
HARG(ハーグ)療法は、他の薄毛治療とは全く違う画期的な毛髪の再生医療です。
当院はそのHARGを専門に扱っているクリニックです。
ただし、症状や具合によっては、HARG療法でなく育毛メソセラピーやプロペシア、育毛サプリ等で当面の対処を行う方が適切な場合もございます。
その際は診察にて医師より詳細のご説明を致します。
HARG療法で用いられる医薬品「AAPE」は国内においては薬事法上の承認を受けておりません。
〈入手経路〉
医師免許による個人輸入です。製造元:Prostemics社(Seoul, Korea)
※承認を受けていない医薬品について、厚生労働省ホームページに注意点が掲載されておりますので、ご参照ください。
「個人輸入において注意すべき医薬品等について」
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/
〈国内の承認医薬品等の有無〉
現時点では同一成分を有する国内承認医薬品はございません。
〈主要な欧米各国における承認・使用状況〉
米国FDA、韓国KFDAの承認取得済み
現在までに170以上の施設にて3万例を越えるメソ注入治療が検証されています。